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水滸伝<一> 曙光の章
『水滸伝<一> 曙光の章』の感想。
既にシリーズを全巻読破し、『楊令伝』まで読んでいる。
面白い面白いと、夢中で貪り読んでしまった。
そして、後悔した。
きちんと感想を書いておきたいと思ったのだ。
そこで、頭から読み直し始めた。
再読であっても、面白さは色あせない。
それどころか、後の展開を知っているからこそ、面白いくだりも、ずいぶんある。
例えば、武術師範の王進が出奔するきっかけ。
呂栄将軍の捕縛だ。
呂栄将軍といえば、呂方の父親である。
索超とも、深く関わりのある人物だ。
名前を意識したのは、この二人が初登場した九巻だった。
それが、こんなにも早くに名前が出ていたとは、思いもよらなかった。
正直、初読の時には読み流していたのである。
こういうところが、まだたくさんあるのだろう。
とにかく、完結した今から振り返ると、一巻は皆、実に初々しい。
なかでも、林冲の印象が、全然違うことに驚かされる。
冷静で、かつ冷酷な感じのする男なのだ。
どちらかというと、公孫勝に近い。(僕だけの印象かもしれないが)
張藍に対する態度や、王進を批判する言い方など、なんていけ好かない奴だと思える。
張欄の死後の激情家っぷりに、そういう印象は、あっという間に打ち消されるのだが。
また宋江が、相当な切れ者に描かれていたのも、面白かった。
先の先まで展開を見通したうえで、林冲に対し、試練を与えている。
巻を重ねると、考えるのは呉用や他の面子の仕事になっていき、
宋江自身が主体的に物事に関わることは、少なくなっていく。
その意味で、頭領の資質を覗かせた、珍しい(笑)描写だった。
一巻で好きなエピソードは、鮑旭が子午山入りするところだ。
鮑旭は、自分の大好きなキャラクターのひとりでもある。
通称:王進道場の門下生で、ビフォアー&アフターがもっとも極端なのが、この鮑旭だ。
「強くなりたいか、鮑旭?」
鮑旭は、無言で頷いた。
「なぜだ?」
「俺は、男だから」
「男か、おまえは。魯智深が言ったように、ただのけものの雄ではないのか?」
「男に、なりたい」
(P228)
王進に稽古をつけられ叫ぶ姿や、王母に「お前は若いから」と、
王母の分の干し肉を与えられ、涙を流す姿には、こちらも思わずもらい泣きをしそうになった。
極めつけは、名前を書くくだりである。
のちに、「楊令伝」でこの時のことを思い出させるエピソードがあり、やはり号泣しかけた。
はっきりいって、反則である。
一巻では戦闘描写が、意外に少ないことに気づいた。
点と点であった梁山泊の面々が、徐々に結びついていく過程に、重きがおかれている。
何しろ、本拠地もなければ、塩の道もできたてほやほやである。
しかし、人間ドラマが、濃厚なまでに濃厚なので、まったく飽きることがない。
事実、再読でも存分に楽しんだ。
次回、楊志登場&梁山泊奪取の二巻へ。
既にシリーズを全巻読破し、『楊令伝』まで読んでいる。
面白い面白いと、夢中で貪り読んでしまった。
そして、後悔した。
きちんと感想を書いておきたいと思ったのだ。
そこで、頭から読み直し始めた。
再読であっても、面白さは色あせない。
それどころか、後の展開を知っているからこそ、面白いくだりも、ずいぶんある。
例えば、武術師範の王進が出奔するきっかけ。
呂栄将軍の捕縛だ。
呂栄将軍といえば、呂方の父親である。
索超とも、深く関わりのある人物だ。
名前を意識したのは、この二人が初登場した九巻だった。
それが、こんなにも早くに名前が出ていたとは、思いもよらなかった。
正直、初読の時には読み流していたのである。
こういうところが、まだたくさんあるのだろう。
とにかく、完結した今から振り返ると、一巻は皆、実に初々しい。
なかでも、林冲の印象が、全然違うことに驚かされる。
冷静で、かつ冷酷な感じのする男なのだ。
どちらかというと、公孫勝に近い。(僕だけの印象かもしれないが)
張藍に対する態度や、王進を批判する言い方など、なんていけ好かない奴だと思える。
張欄の死後の激情家っぷりに、そういう印象は、あっという間に打ち消されるのだが。
また宋江が、相当な切れ者に描かれていたのも、面白かった。
先の先まで展開を見通したうえで、林冲に対し、試練を与えている。
巻を重ねると、考えるのは呉用や他の面子の仕事になっていき、
宋江自身が主体的に物事に関わることは、少なくなっていく。
その意味で、頭領の資質を覗かせた、珍しい(笑)描写だった。
一巻で好きなエピソードは、鮑旭が子午山入りするところだ。
鮑旭は、自分の大好きなキャラクターのひとりでもある。
通称:王進道場の門下生で、ビフォアー&アフターがもっとも極端なのが、この鮑旭だ。
「強くなりたいか、鮑旭?」
鮑旭は、無言で頷いた。
「なぜだ?」
「俺は、男だから」
「男か、おまえは。魯智深が言ったように、ただのけものの雄ではないのか?」
「男に、なりたい」
(P228)
王進に稽古をつけられ叫ぶ姿や、王母に「お前は若いから」と、
王母の分の干し肉を与えられ、涙を流す姿には、こちらも思わずもらい泣きをしそうになった。
極めつけは、名前を書くくだりである。
のちに、「楊令伝」でこの時のことを思い出させるエピソードがあり、やはり号泣しかけた。
はっきりいって、反則である。
一巻では戦闘描写が、意外に少ないことに気づいた。
点と点であった梁山泊の面々が、徐々に結びついていく過程に、重きがおかれている。
何しろ、本拠地もなければ、塩の道もできたてほやほやである。
しかし、人間ドラマが、濃厚なまでに濃厚なので、まったく飽きることがない。
事実、再読でも存分に楽しんだ。
次回、楊志登場&梁山泊奪取の二巻へ。
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コメント
No title
No title
コメントありがとうございます。
北方さんにお会いしたとは、なんともはや羨ましい限りです。
ご存じのとおり、北方水滸伝は下手なコーヒーより夜更かしを誘う代物なので、寝不足には気をつけてくださいね。
のんびりマイペースにアップしていきますので、ぜひ見守っていてくださいませ。
北方さんにお会いしたとは、なんともはや羨ましい限りです。
ご存じのとおり、北方水滸伝は下手なコーヒーより夜更かしを誘う代物なので、寝不足には気をつけてくださいね。
のんびりマイペースにアップしていきますので、ぜひ見守っていてくださいませ。
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わたしも、先日「水滸伝」を読了しました。
文庫の裏表紙は、確か「淋中」でしたよね?
奥さんが高浗にひどい目に逢って、亡くなるのですよね?
それでも、淋中は魯智深のことも、宋江のことも、言わず。
私は、「楊家将」「血涙」を今年の4月から読み始め、「水滸伝」
「楊令伝」へと・・・・現在1巻の途中です。
そうだね。感想文を書きたいと思いつつ先が気になって、寝不足で仕事をしています。
5月の「梁山泊の会」で北方謙三氏にお会いしました。
迫力がありましたね!柔道4段の体つきでした。そのころ、「水滸伝」の3巻を読んでいたので、裏表紙にサインしていただきました。今「三国志」の3巻と「楊令伝」を並行して読んでいるので、
いくら、時間があっても足りないよ〜!
19巻そして「替天行道」まで感想文書いてね!
楽しみにしています。